
9月22日、TOKIOの武道館ライブを取材(現在、彼らは全員30代。来年にはリーダーの城島茂さんが40代に突入!)した帰り、このコラムを書き忘れていたことに気づく。あ、やばい、何かネタあったかな――と考えながら何気なく日本経済新聞を見ていたら、「“降格”バンド復活への旅」という見出しが目に入ってきた。何だろう? と思ったら、フラワーカンパニーズのベーシスト、グレートマエカワ氏の寄稿であった。
4人組ロックバンド、フラワーカンパニーズが結成されたのは'89年のこと。'95年にメジャーデビューを果たし、'97年、'98年には日比谷野外音楽堂でのライブを成功させている。ライブ・バンドとしては高い評価を得てきた彼ら。しかし、CDセールスは思ったように伸びず、'99年頃からはバンドの方向性にも迷いが出てきたという。そして'01年、レコード会社との契約が終了。「潮が引くように周りから人がいなくなった」(9月22日付け 日本経済新聞の記事より)という状態に直面することになる。
しかし、ここから彼らは底力を見せる。ライブのブッキング、インディーズ・レーベルからのCDリリースといったバンド運営のほとんどを自分たちでこなし、活動を再開したのだ。地道で過酷なツアーに活路を見出した彼らは、少しずつ若いロックファンの心をつかみ、ライブの観客動員を徐々に伸ばしてきた。そして昨年、メジャーレーベルと再契約。より逞しくなった彼らの音楽は、いま、大きな注目を集めつつあるのだ。
フラワーカンパニーズのような経歴をたどるバンドは、いま、決して珍しくない。結成25年目にして初のC.C.LEMONホール(旧称・渋谷公会堂)でのライブが決定した怒髪天、9月に武道館コンサートを成功させたザ・ピロウズなど、40代になってからピークを迎えるバンドが次々と登場しているのだ。すぐにブレイク出来なかったとしても、自らの音楽性を貫き、少しずつ支持を獲得していく――そんな彼らの生き方は、若いロックバンドにも大きな影響を与えている。
「夢は必ず叶う」みたいな甘い話ではない(相変わらず“夢をあきらめないで”という歌が多いが、本当にうんざりする)。そうではなくて、「自分たちの音楽を伝えるためには、何が必要なのか?」ということを客観的に考え、それを着実に実行することがすべてなのだ。もちろん“音楽が優れている”ことが大前提だが、フラワーカンパニーズや怒髪天がブレイクしつつあるのは決して偶然ではなく、具体的、現実的な活動の結果なのだと思う。
“CDが売れない、でも、コンサートはわりと好調”という状況が続くいま、40代を迎えても上昇を続けるバンドの存在は、たくさんのヒントに満ちている。