
はじめて仕事をする編集者に「得意なジャンルって、どのあたりですか?」と聞かれることがある。
そんなとき僕は「えっと、あの、まあ、ギターロック系とか…。シンガーソングライターもわりと…。まあ、何でも聴きますよ」とか答えにもなってないことをゴニョゴニョと話すハメになるのだが、得意なジャンルもなにも、「いただける仕事があるんだったら、何でもやらせていただきますよ、ええ」っていうのが本音なのだ。
声をかけてもらったら、自分の能力が許す限り、最大限に努力する。ちょっとキレイごとっぽいけど、これがフリーライター(というか、すべての仕事の)基本なのだと思う。
ところが音楽ライターという人種は、わりと仕事を選ぶ人が多いらしい。
「●●●●の取材ですか? ビジュアル系には興味ないんですよね」とか「基本的に女性アーティストの取材しかやらない」とか「アイドルは絶対、お断り」とか。
そういう話を聞くたびに「うわー、すげえなあ。仕事を選ぶなんて……貴族か?」なんて思ったりもするが(決して嫌味ではない)、個人的な感想を言わせてもらえれば、そんなことはちょっと考えられない。
だって、そうでしょ? 女性誌のライターは「化粧品の特集ですか? 私、日本のメーカーは使ってないから、外資系メーカーの取材だったらOKです」なんて言わないわけだから、絶対。
まあ、僕の場合、気が弱くて仕事が断れないだけ、という話もあるのだが。
というわけで「森さんって、何でもやりますよねー」って言われてしまうような便利屋ライターと化している僕なのだが、それにしても3月上旬のラインナップはちょっと凄かった。



3月3日→関ジャニ∞、3月5日→秋川雅史、3月6日→V6(の年上3人組、20thセンチュリー)、3月7日→筋肉少女帯(大槻ケンヂ氏)。さらに新進気鋭のギターロックバンドであるプリングミン、Yacht.(どちらも次世代のロックシーンを担う、素晴らしいバンドですよ!)などにもインタビューしているのだから、もうテンヤワンヤである。
まったく興味のなかったアーティストに話を聞くと、こちら側の思い込みに気付かされることも多く、ものすごく勉強になるんだけどね。
自分のなかにある常識を疑い、「本当はどうなんだろう?」と疑問を持ち続けることもまた、仕事をするうえでの基本的な態度なのだと思う。
「得意なジャンル」を聞かれても即答できない僕だが、「好きな日本のバンドは?」と言われればハッキリ答えられる。
クレイジーケンバンド、 グループ魂、 サンボマスター。



この3バンドは日本の宝といっても過言ではない素晴らしい存在なのだが、彼らの名前を出すと多くの人が「ハハハハハハ…(苦笑)」みたいな反応をするのはナゼだろう。
きっとちゃんと聴いたこともないのに、イメージだけで判断しちゃってるんだろうな。ふん、つまんないヤツらめ。