
フリーライターにも“出張”はあります。

ほとんどは地方でのライブ取材なのですが、CDが売れない、音楽雑誌はもっと売れないという昨今、“経費があんまりないんですよ。
可能な限り、日帰りで…”みたいな話が増えるのは、しょうがないかな、と。
(GLAYとかELTが400万枚くらい売れてた頃は、“ロサンゼルスに1週間”っていう仕事もあったらしいのだけど、いまではまったく考えられません。)
というわけで行ってきました、沖縄・日帰り出張!
2月10日、朝10時くらいの飛行機で出発、那覇空港から北谷(若者が集まる、沖縄最大のプレイ・スポット。読み方は“ちゃたん”です、念のため)にタクシーで移動し、HYというバンドのストリート・ライブを取材。
打ち上げにちらっと顔を出してメンバーに挨拶、そこから速攻で空港に戻って羽田行きの最終便に乗り、なんとか家にたどり着いたのは夜中の1時半くらい。ソーキソバもゴーヤチャンプルーも食べず、早咲きの桜も見られず(もう散ってました)、おまけになんだか肌寒い天気で…。
そんな状況のなか、空気が読めないことで知られる男性編集者(独身)が
「僕、今日は泊まろうかな。中田(←日本ハム・ファイターズのスーパールーキー、中田翔。この時期、沖縄でキャンプ中でした)も見たいし」
って言ったときはハッキリとムカつきましたが、そんなことはまったく関係なく、HYは本当に素晴らしいライブを見せてくれました。

HYは沖縄県出身の5人組バンド。デビュー当時はロック、ヒップホップなんかを混ぜ合わせたミクスチャー系だったのだけど、アルバムをリリースするたびに音楽的な進化を遂げ、最近ではじつに奥深く、ふくよかな“歌”を響かせるバンドへと成長。
テレビにはほとんど出ない、雑誌のプロモーションも最小限、シングルもリリースしない彼らだから、もしかしたら知らない人も多いかもしれないけど、これまで発表した3枚のアルバムはすべてビッグ・ヒットを記録している隠れたスーパーバンドなのです。

生まれ育った沖縄を拠点にしながら、ゆったりとした環境のなかで丁寧に曲を作り上げ、ツアーのなかでそれをしっかりと伝えていく――セールスばかりを求められ、異常とも言えるリリース・ペースを強いられて疲弊していくアーティストが多いなか、彼らの存在は本当に貴重。
どんな仕事でもそうだと思うけど、“まずは、いいモノを作る”っていうのが基本なんですよね。なんて言ったら、“そんなの理想論だよ、ケッ!”っていう声が飛んできそうだけど。

そういえば2月10日は、忌野清志郎の“完全復活祭”武道館ライブの日でもありました。
喉頭ガンを完璧に克服し、再びシーンの真ん中に戻ってきたKING・OF・ROCK。いまの清志郎は、これまでのキャリアのなかでももっとも素晴らしいコンディションにある。ファン歴25年の僕が言ってるんだから、間違いないです。
ああ、ぜひフジロックにも参戦してほしいなあ。あの歌声をメイン・ステージで聴くことができたら…。
号泣する準備は出来てるぜ。